ITエンジニアの市場価値とは?しがないSEなりに5つの軸で考えてみる

市場価値

ITエンジニアとして10年ほど働いています。

こう書くと、それなりに経験のあるエンジニアに見えるかもしれません。

でも、自分自身にはあまりそんな感覚がありません。

今でもコードは書きますが、実装にはあまり自信がありません。

資格も何もなく、基本情報技術者試験にも受かっていません。

同期にはPMになってバリバリ仕事をしている人もいるのに、自分はそこまででもない。

「10年やっている割に、自分って大したことないんじゃないか」

そんなことを考えることがあります。

そこで気になったのが、ITエンジニアの市場価値って、そもそも何で決まるんだろう?ということでした。

  • 技術力なのか
  • 経験年数なのか
  • コミュニケーション力なのか
  • 年収なのか
  • 転職したときに企業からどれだけ評価されるかなのか

「市場価値」という言葉はよく聞きますが、考えてみると自分の中ではかなり曖昧でした。

そこでこのサイトでは、一度エンジニアの市場価値を分解して考えてみることにします。

市場価値=技術力、ではないと思う

以前の自分は、エンジニアとしての価値をかなり「コードを書く力」に寄せて考えていました。

  • 実装が速い
  • 難しいコードが書ける
  • 新しい技術に詳しい

そういう人を見ると、

「こういう人が技術力の高いエンジニアで、自分はそうではない」

と思っていました。

もちろん、今でも実装力は重要だと思っています。

ただ、実際に10年ほどシステム開発に関わってきて、最近は「コードを書く力だけでエンジニアの価値を判断するのは違うんじゃないか」とも思うようになりました。

  • 設計する力
  • 既存のシステムを理解する力
  • 問題が起きたときに原因を調べる力
  • 顧客やチームと認識を合わせる力
  • 知らないことを調べて仕事を前に進める力

こうしたものも、エンジニアとして仕事をするうえでは必要です。

さらに今は、生成AIがコードを書いたり、既存のコードを修正したりすることもできるようになっています。

そう考えると、AI時代に「自分の手でコードを書くこと」だけをエンジニアの価値と考えるのは、ますます違う気がします。

では、何を見ればいいのか。

自分なりに5つに分けてみました。

しがないSEの生存戦略では、市場価値を5つの軸で考える

先に断っておくと、これから紹介する5つは、公的機関が定めた「エンジニアの市場価値を測る公式5項目」ではありません。

IPA(情報処理推進機構)のデジタルスキル標準などを参考にしながら、普通の会社員SEが自分自身を棚卸ししやすいように、このサイト独自で整理したものです。

IPAの「DX推進スキル標準」でも、ソフトウェアエンジニアは単にコードを書く人ではなく、システムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う役割として整理されています。

それを会社員SEの目線まで少し広げて、自分は次の5つで市場価値を考えてみます。

  1. 技術力
  2. 業務・開発経験
  3. 仕事を進める力
  4. 変化への適応力
  5. 実際の市場評価

技術力

まずは当然、技術力です。

ただし、自分は技術力を単純な「プログラミング力」とは考えないことにしました。

技術力とは、技術を使って課題を解決する力。

今のところ、これが一番しっくりきています。

コードを書くことは、そのための一つの手段です。

例えば、

  • 実装する
  • 設計する
  • 既存コードを読む
  • ログやエラーから原因を調べる
  • DB・ネットワーク・クラウドなどを使って問題を解決する
  • 適切な技術を選ぶ
  • 生成AIを使って技術的な問題を解決する

こうした力も含まれるのではないかと思っています。

自分は実装力にあまり自信がありません。

でも、もし実装力が技術力のすべてではないなら、

「自分には技術力がない」ではなく、「技術力の中の実装力には自信がない」という方が正確なのかもしれません。

このあたりはかなり掘り下げたいので、別の記事で「エンジニアの技術力とは何か?」を改めて考える予定です。

業務・開発経験

次は、これまで何を経験してきたかです。

単純な経験年数だけではなく、

  • どんな業界だったか
  • どんなシステムだったか
  • 要件定義・設計・開発・テスト・保守のどこを経験したか
  • 顧客と直接仕事をしたか
  • チームの中でどんな役割だったか

といった中身まで見る必要があります。

例えば「Java経験10年」と書いてあっても、その10年間に何をしてきたのかによって経験の中身はかなり違います。

自分の場合も、「IT経験約10年」だけではほとんど何も分かりません。

金融・保険系のお客さん先に長く常駐し、設計・開発・テストを中心に経験してきた。

そうやって中身まで見て、初めて経験として評価できるのだと思います。

仕事を進める力

技術だけでは、システム開発は進みません。

例えば、

  • 相手が何を求めているのか理解する
  • 曖昧な要求を整理する
  • 問題が起きたら適切に報告・相談する
  • 他のメンバーと認識を合わせる
  • 優先順位を考える
  • 技術的な内容を相手に伝える

といった力も必要です。

IPAのデジタルスキル標準でも、技術系のスキルだけでなく、対人関係などのヒューマンスキルや、目的設定・課題解決・意思決定などに関わるコンセプチュアルスキルが整理されています。

自分は昔から「コミュニケーション力」という言葉が少し曖昧だと感じていました。

話がうまいことなのか。

愛想がいいことなのか。

会議でたくさんしゃべることなのか。

でも実際に働いていると、エンジニアに必要なコミュニケーション力はもっと具体的なものだと思っています。

これも今後、「エンジニアのコミュニケーション力とは?」として掘り下げます。

変化への適応力

IT業界では、使われる技術も仕事のやり方も変わります。

今なら代表的なのが生成AIです。

AIは文章を作るだけでなく、コードの作成や修正、調査などにも使われるようになっています。

IPAのデジタルスキル標準も、AIを含む技術環境の変化に対応して改訂されています。

ただ、自分は「最新技術を全部知っていること」が重要だとは思っていません。

知らないものが出てきたときに、必要なら調べて使えるようになること。

そちらの方が長期的には重要なのではないかと思います。

自分自身、生成AIについてはまだまだ勉強中です。

だからこのサイトでは、生成AIを実際にエンジニアの仕事で使ってみて、どこまで役に立つのか試していきます。

実際の市場評価

最後は、少し性質が違います。

自分が「技術力があります」「経験があります」と思っていても、それを外部がどう評価するかは別問題です。

逆もあると思います。

自分では大したことがないと思っている経験でも、別の会社から見れば価値があるかもしれません。

転職市場で考えるなら、例えば、

  • どんな求人に応募できるか
  • 書類選考が通るか
  • 面接でどう評価されるか
  • どんなポジションを提示されるか
  • いくらの年収を提示されるか

などがあります。

つまり、1〜4が自分自身の能力や経験だとすると、5はそれを外から見た評価です。

この軸は、このサイト独自で入れました。

理由は、自分自身の転職経験で自己評価と市場からの評価にはズレがあるのではないかと感じたからです。

経験年数が長い=市場価値が高い、でもない

自分はITエンジニアとして約10年働いています。

33歳です。

一次受けSIerで長く働き、現在もエンジニアをしています。

数字だけ見ると、それなりに経験がありそうです。

でも、自分では実装にあまり自信がありません。

「10年目」と言われたときに期待されるレベルと、自分の感覚にギャップを感じることもあります。

だから、「10年経験している=市場価値が高い」とは思っていません。

ただ、その逆に、「実装に自信がない=市場価値がない」とも言い切れないのではないか。

最近はそう考えるようになりました。

自分では気づいていない強みもあるかもしれない

これは転職してから強く感じました。

自分は長いこと「実装力がそんなに高くない」というところに目が向いていました。

そのため、エンジニアとしての自分自身の評価も低めだったと思います。

でも、改めて10年間を振り返ると、

  • 長くシステム開発の現場にいた
  • 金融・保険系のシステムを経験した
  • 設計・開発・テストを経験した
  • 客先で長く仕事をした

といった経験もあります。

自分にとっては「普通に仕事をしていただけ」なので、それを強みだと思ったことはありませんでした。

でも、本人にとって当たり前にできることほど、自分では価値に気づきにくいのかもしれません。

ここは今後、自分自身を実験台にしてちゃんと棚卸ししてみます。

市場価値を知るには、自分で考えるだけでは足りない

今回の5つの軸のうち、

  • 技術力
  • 業務・開発経験
  • 仕事を進める力
  • 変化への適応力

については、自分でもある程度考えることができます。

ただ、「実際の市場評価」だけは自分一人では分かりません。

  • 求人を見る
  • 職務経歴書を出してみる
  • スカウトを受ける
  • 面接を受ける
  • 実際に年収を提示される

そうした外部からの評価を受けて、初めて見えてくる部分があります。

自分も32歳で転職活動をしました。

そのときは40社ほど応募し、面接でもかなり苦戦しました。

一方で、最終的には転職前より年収が約200万円上がりました。

「自分では大したことがないと思っていたのに、なぜ年収が上がったのか?」

これは、自分自身でもかなり気になっています。

別の記事で、自分の経歴を5つの軸に当てはめながら詳しく棚卸ししてみます。

じゃあ、しがないSE本人の市場価値はどうなのか

ここまで、市場価値を5つに分けて考えてみました。

次にやるべきなのは、自分自身に当てはめることです。

  • 33歳
  • IT経験約10年
  • 資格なし
  • 実装にはあまり自信なし
  • SIerで長く働いた
  • 客先常駐もほぼ10年経験

この人間に、実際どれくらい市場価値があるのか。

次の記事では、今回作った5つの軸を使って、しがないSE本人の市場価値を棚卸ししてみます。

自分でも、何が出てくるのか少し楽しみです。

市場価値は固定値ではない。だから上げてみる

市場価値について考えていて、一番重要だと思ったのはここです。

今の自分の市場価値が高いか低いかだけを考えても、あまり意味がありません。

重要なのは、

何が足りなくて、何を伸ばせば自分の選択肢が増えるのか。

だと思います。

  • 技術力が弱いなら、伸ばす
  • 生成AIが使えないなら、実際に使ってみる
  • 自分の強みが分からないなら、棚卸しする
  • 市場評価が分からないなら、外から評価してもらう

そうやって、普通の会社員SEがどこまで変われるのか。

このサイトでは、自分自身で試していきます。

しがないSEの生存戦略は、たぶんそこから始まります。

参考にした資料

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